〜 いつもお世話になっている千厩小学校からの声をお伝えします 〜
第4回
千厩分教室と千厩小学校の交流と共同学習
〜 1年間を見通した計画の作成と共通理解 〜
1 はじめに
千厩小学校の子どもたちにとって千厩分教室の子どもたちとの交流及び共同学習は,人間の可能性や互いの共通性を再認識するきっかけとなっています。同じ社会に生きる人間として互いを正しく理解し,共に助け合い支え合って生きていくことは,とても大切なことであると考えています。交流及び共同学習は,このための基盤づくりともなる重要な活動です。
千厩分教室と千厩小学校の概要(平成26年度)です。
○一関清明支援学校千厩分教室
・児童数 15名
・学級数 2学級
・職員数 10名
○千厩小学校
・児童数 346名
・通常学級 12学級
・特別支援学級 2学級
(知的1,情緒1)
・ことばの教室 2教室
・職員数 28名
2 交流及び共同学習の計画
交流及び共同学習の実施に当たっては,千厩分教室と千厩小学校で十分に連絡を取り合い,指導計画に基づく内容や時間・場所・役割分担・協力体制などを事前に検討し,
児童一人一人の実態に応じた配慮を行うなどして,組織的・継続的に行っています。
相互のふれ合いを通じて豊かな人間性をはぐくむことを目的とする側面と,教科等のねらいの達成を目的とする共同学習の側面があると考えます。「交流及び共同学習」とは,この二つの側面が一体としてあることをより明確に表したものであり,分かちがたいものとしてとらえ,推進しています。
○ハピきら教室とあおぞら学級(千厩小学校特別支援学級)
月 |
内 容 |
主 担 当 |
4 |
お花見・給食交流会 |
ハピきら |
5 |
運動会がんばったね会 |
ハピきら |
6 |
制作活動 |
ハピきら |
7 |
フットサル教室 |
ハピきら |
8 |
プール |
ハピきら |
9・10 |
制作活動 |
あおぞら |
11 |
カレー作り・会食 |
あおぞら |
12 |
音楽療法 |
ハピきら |
1 |
冬の遊びをしよう |
ハピきら |
2 |
フットサル教室 |
ハピきら |
3 |
卒業・進級おめでとう会 |
ハピきら |
ハピきら教室・あおぞら学級それぞれ各1名ずつ担当しています。
運動会がんばったね会 フットサル教室
○ハピきら教室と通常学級の交流の様子
修学旅行 グリーンキャンプ
鬼剣舞(4年生) 鬼剣舞(6年生)
六年生を送る会 六年生を送る会
昼休みの様子 クリスマスコンサート
3 共通理解の場
千厩分教室と千厩小学校で交流及び共同学習を実施する場合には,互いにその必要性,意義等について十分に理解し合うために,連絡調整をする機会を年間計画に位置づけています。
互いの教育目標にどのように合致しているのかを確認しておくとともに,どのような教育的効果があるかを明らかにしておくことを大切にしています。組織の有機的な連携や協力体制が確保されることで,活動の
意義やねらい,千厩分教室と千厩小学校の学級の教育の実際,障がいを抱えている子どもへの関わり方等について効果的に共通理解が図られています。
@連携会議
・時 期:2ヶ月に1回程度
・出席者:分教室 校長 副校長 教務担当
小学校 校長 副校長 教務主任
・内 容:交流内容(学校行事,交流学習等)についての確認
A実務担当者会議
・時 期:毎月1回
・出席者:分教室 教務担当 全担任
小学校 教務主任 特別支援学級担任等
・内 容:交流・合同事業の内容についての話し合い
月計画の確認等
B千厩小・分教室合同会議及び学年会議
・時 期:年度始め
・出席者:分教室 全職員
小学校 全職員
・内 容:児童理解について
交流・共同学習の年間計画について等
4 おわりに
○千厩分教室と交流・共同学習を行って感じていること
・「交流」や「ふれあい」を主な目的としており,無理なく活動が続けられています。
・一過性の活動ではなく,継続して取り組むことで,子どもたちにとっても職員にとっても
計画的で連続した活動につなげることができています。
・子どもたちが,自分と違うものを受け入れたり,他の友達に歩み寄ったりする気持ちや態度
を培うことにつながっています。
・あおぞら学級の子どもたちにとっては,自分たちがリーダーとして行動しようとする貴重な
機会となっています。
千厩小学校の子どもたちにとって,千厩分教室の子どもたちと一緒に活動に参加し,互いの交流を深めていくことは,同じ学校・学年の仲間として認め合う良い機会となって
います。
これからもお互いに理解し合い,自然な形で交流でき,この体験が社会人となってから生きることを期待します。